認知症について
もの忘れは誰にでも大なり小なり見られますが、重要な事柄を忘れることが多くなったときは、認知症を疑ってください。高齢者に特有の状態だと思っている方もいらっしゃるようですが、比較的若い方にも起こります。
しっかりしている時もあれば、おかしな時もあるというようなタイプもあります。認知症の種類によっては進行を抑える薬がありますので、まずは医療機関を受診して原因を突き止めることが大切です。
このような症状にお気づきの方はご相談を
- その日に食事をしたのかどうか思い出せない
- その日に外出したのかどうか記憶にない
- 財布やクレジットカードなど、大切なものを頻繁に失くすようになった
- 何度も同じことを言ったり、聞いたりする
- 慣れている場所なのに、道に迷うことがある
- 自分が今いる場所が分からなくなることがある
- 薬の管理が出来なくなった
- 以前は好きだったことや、趣味に対する興味が薄れた
- あてもなく辺りを徘徊し、元の場所(自宅など)に戻れなくなる
- 鍋を焦がしたり、水道を閉め忘れたりすることが目立つ
- 突然、怒り出したりする
- 財布を盗まれたと言って騒ぐことがある
認知症の薬物療法
アルツハイマー型認知症の薬物療法には、主に2つのタイプのお薬があります。1つ目は、認知機能を増強して記憶障害や見当識障害を少しでも改善し、病気の進行を遅らせる治療薬です。
もう1つは、不安、焦り、怒り、興奮、妄想などの周辺症状を抑えるお薬です。これらを組み合わせ、薬の効果と副作用を定期的にチェックしながら、個々の患者さまの症状に合わせて使用していきます。
また、脳血管型認知症は脳血管障害の再発によって悪化していくことが多いため、再発予防が重要となります。脳血管障害の危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症、心疾患をコントロールするためのお薬、脳梗塞の再発を予防するお薬が使われます。患者さまの状態によっては抗うつ薬や抗精神病薬などを用いることもあります。