めまいについて
私たちが自分の周囲の空間や位置を認識するときは、眼だけでなく、内耳の三半規管や耳石、手足の関節の深部間隔なども活用しています。こうした情報は脳に伝えられ、統合されて体のバランス感覚を絶妙にコントロールしています。そのため、これらの機能が上手く働かなくなると、めまいや平衡障害が起こります。
めまいを起こす病気には良性発作性頭位めまい症、メニエール病、突発性難聴、慢性中耳炎など耳鼻科領域の疾患がよく知られていますが、脳血管障害や脳腫瘍、脊髄の病変など、脳神経外科領域の疾患でも多く見受けられます。
特に、脳や脊髄などの中枢神経からくるめまいについては、発見、治療が遅れると後遺症や、場合によっては命に関わることも少なくありません。早期に受診し、これらを除外することが望まれます。
脳血管障害
脳の血管が狭くなって血流障害をきたした場合や、血管が詰まった時(脳梗塞)、血管から出血した時(脳出血、くも膜下出血)、めまいに関係する小脳や脳幹の機能が悪くなって起こります。
めまいのほかに、舌がもつれる、物が二重に見える、手足がしびれるなどの症状が起こることもあります。発症してから速やかな治療が必要です。治療が遅れると後遺症や、命に関わる場合があります。
脳腫瘍
頭の中にでき、脳と脳を取り巻く組織に生じる腫瘍を総称して脳腫瘍と言います。なにもせずに経過観察で良いものから、数日で命にかかわってくるものまで、さまざまなものがあり、細胞や遺伝子の型によって150種以上に分類されます。
脳腫瘍のできる場所により、めまいや頭痛、手足の脱力や、てんかんなど、さまざまな症状をきたします。当院では大学病院を含めた、豊富な治療経験のある医療機関とも連携しておりますので、速やかに治療が受けられるように紹介いたします。